学校休校…でも学校へ行かないと学べないバランスのよい「知育・徳育・体育」
オンライン化の波
新型コロナウイルスの感染拡大により、3月から学校が休校となり、その後、緊急事態宣言が発動され4月も休校、さらには緊急事態宣言の延長により5月末までの休校が決まっています。
外出自粛、在宅ワークなどの関係で、この間にオンライン化が一気に広まり、大学に通う娘はオンラインで授業を受け、高校などでもその準備が進んでいます。(私自身もオンライン会議や交流会、飲み会などで活用しています)
一般的な状況や報告から考えても、また学校教育におけるオンライン化の導入を考えても、新型コロナとの戦いは長期戦を覚悟しなければならないんだと思われます。
オンラインでの教育はこれまでも通信教育や塾、学習支援サービスなどで行われてきました。学校の教育現場でも授業を支援するサービスとしてすでにスマホやタブレットを使った授業が行われています。
ちなみに私の子どもが通う高校でも使われていて、先生と生徒のやり取りが端末を通して行われたりしています。(時代は変わりましたね)
学校だからこそ得らえること
しかしながら学校で学ぶことは通常の勉強だけではないことはみなさんもお分かりの通りだと思います。クラスや学年・学校の仲間、教職員の方々などいろんな人との交流があり、そこで人間形成がなされていきます。
特に部活動(個人的には運動部のイメージが強いので、運動部の話を中心に書かせていただきます)から得るものには大きなものがあると思っています。
「運動部活動の意義」について文部科学省では以下のように述べています。
運動部活動は、学校教育活動の一環として、スポーツに興味と関心を持つ同好の児童生徒が、教員等の指導の下に、自発的・自主的にスポーツを行うものであり、より高い水準の技能や記録に挑戦する中で、スポーツの楽しさや喜びを味わい、学校生活に豊かさをもたらす意義を有している。
また、運動部活動は児童生徒が体育の授業で体験し、興味・関心を持った運動を更に深く体験するとともに、授業で身に付けた技能等を発展・充実させることができるものであり、逆に、部活動での成果を体育の授業で生かし、他の生徒にも広めていくこともできるものである。
さらに、運動部活動は、自主的に自分の好きな運動に参加することにより、体育の授業に加えて、スポーツに生涯親しむ能力や態度を育てる効果を有しており、あわせて、体力の向上や健康の増進を一層図るものである。その上、学級や学年を離れて生徒が活動を組織し展開することにより、生徒の自主性、協調性、責任感、連帯感などを育成し、仲間や教師(顧問)と密接に触れ合う場としても大きな意義を有するものである。
このように、運動部活動は生徒のスポーツ活動と人間形成を支援するものであることはもとより、その適切な運営は、生徒の明るい学校生活を一層保障するとともに、生徒や保護者の学校への信頼感をより高め、さらには学校の一体感の醸成にもつながるものである。
(参考:文部科学省HP)
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpad199801/hpad199801_2_051.html
まとめると
- スポーツの楽しさや喜びを味わい、学校生活に豊かさをもたらす
- スポーツに生涯親しむ能力や態度を育てる
- 体力の向上や健康の増進を一層図る
- 自主性、協調性、責任感、連帯感などを育成
- 仲間や教師(顧問)と密接に触れ合う場
- 運動部活動は生徒のスポーツ活動と人間形成を支援する
- 学校の一体感の醸成にもつながる
など、心とからだの発育・発達において、好影響を及ぼすもだと言えるでしょう。
ちなみ私の息子は、以前にもブログでも記事を書かせていただきましたが、学童野球をしていた関係で、中学校でも野球をやりたいということでしたが、中学校の部活動ではなく、地域スポーツの硬式野球クラブに所属しています。
その時の思いを書いたブログがこれです。
「中学の軟式野球のクラブチームがあったら…」https://wellnessdesignlab.com/2019/01/20/rubberball%ef%bc%8dbaseball/
とはいえ、中学校の部活動と同じような環境でいろんな選手と切磋琢磨しながら心とからだを鍛えていると思っています。
コミュニケーションの大切さ
私自身PTAの関係もあって、小学校にも中学校にも、高校にも授業参観や学校訪問に行くことがあります。そのようなときに思うのは、小学校では先生が「わかる人?」って聞くと子どもたちも「ハイ、ハイ」と元気に声をあげて授業を受けています。それが高校に行くとクラスの中はしーんと静まり返っています。オンラインでの授業はこれと同じイメージに思えます。なので現況下では、特に中高生への導入においてはそれほど抵抗感もありません。
ただ、授業が終われば、クラスの仲間や部活の仲間、先生とのやり取りがあり、これこそ学校の醍醐味ですよね。それがあるからこそ、人間形成につながり、学校生活が豊かになるのだと思います。
つまり「コミュニケーション」があるからこそ人としての心が養われるのではないでしょうか?
(もちろんいろんな理由でコミュニケーションがうまくできない人もいます)
ただ、楽しいこと、辛いこと、悲しいこと、うれしいこと…いろんな出来事があって、人との付き合い方も学び、成長があるのです。
教育の三育「知育・徳育・体育」
その中でも運動部活動は心もからだも鍛えられます。みなさんは「教育の三育:知育・徳育・体育」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?この言葉のルーツは明治時代初期に出版された福沢諭吉の『学問のすゝめ』や イギリスの哲学者・社会学者ハーバート・スペンサーの教育論がベースになっているようです。
余談ですが、最近ではこの「知育・徳育・体育」に加えて「食育」という言葉も用いられているかと思います。当時、「食育」の概念は「体育」の中に含まれていたらしいです。
明治初期の考え方…というと、この令和の時代には「時代錯誤?」と思われる方もおられるかもしれませんが、この考え方は普遍的なものだと思っています。(日本体育大学で「体育」を学んだ立場だから、余計にそう思うのかもしれませんが…)
知育=頭、徳育=心、体育=体
このバランスのよい発達のためにも、一日でも早く普通の生活が戻り、児童、生徒の声がこだまする学校が戻ることを期待したいですね。
私自身の思いとしては、万が一コロナウイルスにかかったとしても、それに負けない体力(防衛体力)をつけるためにも、また、このような重苦しい社会に打ち勝っていくためにも、児童・生徒には部活動を通して、肉体的にも、精神的にもたくましく育ってほしいと願っています。
参考までに「新型コロナに負けない防衛体力」
https://wellnessdesignlab.com/2020/03/15/singatakorona-taisaku/