防ごう心臓震盪

 

「心臓震盪」って知っていますか?

読むことすら難しい漢字ですね。これは「心臓しんとう」と読みます。

 

心臓震盪とは

この心臓震盪は、主に子どものスポーツ中に起こる突然死の原因の一つで、野球やサッカーといったスポーツで、胸(心臓のある部分)にボールや体がぶつかった衝撃で致死的な不整脈が起こり、死に至る危険があるという恐ろしいものです。

 

心臓震盪が発生した状況(アメリカの例)によると

・野球のボールが胸部に当たった 53件

・ソフトのボールが胸部に当たった 14件

・アイスホッケーパックが胸部に当たった 10件

・ラクロスのボールが胸部に当たった 5件

 

ご覧のように、野球とソフトボールで心臓震盪が起こる可能性が圧倒的に高いことがわかります。

とはいえ、決して硬いボールが当たるから起こるわけではありません。子どもは胸郭が軟らかく、衝撃が心臓に伝わりやすいため弱い刺激でも起こるそうです。

 

心臓震盪が起きてしまったら

もし万が一、心臓震盪が起きてしまったら、不整脈(心室細動)が起きているので速やかにAED(自動体外式除細動装置)による処置が必要になります。

みなさんも救命救急の訓練などで一度はAEDの使い方を学ばれたことがあろうかと思いますが、使う自信はありますか?
あと、みなさんが活動されている場所にはAEDはありますか?

 

防ごう心臓震盪

先日、息子が新しく加入した硬式野球の練習試合を見に行った際に、相手チームの県内でも有名な1年生の選手が胸に何かを付けてプレーしていました。

それを見たほかの保護者から「彼らは胸に何を付けているの?」と聞かれ、私も「あっ忘れていた…」と心臓震盪のことを思い出しました。そうです彼らは予防用のプロテクターを付けてプレーしていたのです。

そういえばわがチームの同じ1年生の保護者で消防署に勤めている方がおられ、入部するにあたり、「そのプロテクターを義務化したい」と言われていたことも思い出しました。

実際、私も高校時代、陸上競技の練習中に、他校の野球部員が倒れているとの連絡があり、陸上部の顧問の先生が、あわてて野球部員のところに向かい、救命救急処置を行ったということがありました。あとで先生から、「ボールが当たって不整脈が起こることがあり、その状態だった」という話を聞きました。

当時はまだAEDが配置されていなかった時代です。幸い、その生徒は先生の処置のおかげで助かったと聞きましたが、今思い出してもぞっとする話です。

 

そのような危険な環境にいる子どもたちを守るためにも、練習場所にはAEDの整備が望まれるところではありますが、高額でもあり、難しい面もあろうかと思います。そうであるならば、自己防衛として「胸部プロテクター」の着用を提案し、実行してもらう必要があると改めて感じました。

いかに上手な選手であっても野球のボールはイレギュラーして思わぬ方向にはねたりもします。それが胸に当たって心臓震盪を起こしてしまったら…取り返しのつかないことになってしまいます。

スポーツ用品メーカーなどから心臓震盪を予防する胸部プロテクターが発売 (3,000~5,000円程度)されていますので、まずはわが子からでも始めたいと思います。