学童野球に球数制限が導入!

 

   年末に新潟県高校野球連盟が全国に先駆けて球数制限を導入すると伝えられて2週間余り。今度は小学生の軟式野球学童野球で投手の投球数を1日70球までとする球数制限を今年から導入する意向が明らかになりました。

   この発端となった新潟県高校野球連盟の決定は、春季大会限定で1日100球を上限とすると決めました。これは「ケガの防止とそれに伴う複数投手制の普及、そして少しでも多くの選手に出場機会を与えるため」と説明。「現場からも制度の必要性を願う声が出ていた」と伝えていました。

   この全国に先駆けての取り組みだけでもすばらしい!と感じていたところ、今度は小学生。しかも全国に関わる話です。

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1日7イングまで → 1日70球

   全日本軟式野球連盟における学童野球の投球制限は、これまで「1日7イニングまで」と決まっていました。つまり投球数ではなく投球回数だったのです。

それが今回は具体的な投球数に規定されることになります。

 

(1)練習も含め全力投球は1日70球、1週間で300球以内

(2)1日の練習は3時間以内

(3)1年間での試合数は100試合以内

などとして、これらを2月に正式決定する見通しになっています。

 

   しかし、こうなるとウォーミングアップでも全力で投げたらカウントされることになりますね。問題はどのように管理(監視)するか?かもしれませんが・・・

※ちなみに…これまでの投球制限は、公益財団法人 全日本軟式野球連盟のHPに詳しく書かれています。  http://jsbb.or.jp/med-anti-doping/medicine

 

   今回、全日本軟式野球連盟の専務理事が講演の中でこのように述べたことに加え、「小中学生で肩や肘を痛めた選手のうち46%は後に再発する」というデータも紹介したそうです。

   無限の可能性を秘めた選手たちがオーバーユースで将来に禍根を残すことを少しでも減らそうとするこの取り組みは高く評価されるのではないでしょうか。   これでジュニア期の野球肘が少しでも減ることを願いたいですね。

 

   もう一つ、新潟県高校野球連盟がこのような取り組みを行う理由の一つとして、野球部員の減少があげられるそうです。生徒数減少に加え、スポーツ選択の多様化などいろいろな理由もあって、この2年間1校あたり新入部員が4人も減少しているそうです。

   私の住む地域の高校でも部員の格差が起こっており、部員不足でやっと試合に出ている高校もあります。これは中学でも同様で、中規模の学校でさえ9人そろわないところも出てきており、私も常々気にしています。このあたりは別の機会にお話ししたいと思います。

 

   選手が人として、個人として尊重される風潮が強まり、そのようなチームが結果を残し、その監督が評価されるようになってきています。東京オリンピックを控えた中で、スポーツ界は望ましい方向への転換期を迎えているのかもしれません。